シンプルだけど美しい『日本の窓』実例

最近の日本の住宅は和室が減っており、東京だと「和室+障子」を見かけるのは古いマンションか料亭か一部の超インテリアにこだわっている人のお家ぐらいです。

洋風のインテリアが一般的ですが、窓辺に障子や和風の格子窓をもっと取り入れたら素敵ではないでしょうか?

StudiodelSolインテリアコーディネーター山口恵実

先日上野公園と江戸東京たてもの園へ行ってきました。
大学の授業の一巻です。教授の詳しい解説付きで、日本住宅の歴史・地形・構造等をいろんな建物を実際に見ながら周ってきました。

建築の授業なので建築的な話がもちろん多いのですが、やっぱり私は内装やインテリアが大好き◎
先生の話を聞きつつも、あっちゃこっちゃ建物の内部とか家具とか照明とかに目が行ってしまいます(笑)

 

今回 昔の建物を周って、気になったのが
窓装飾です。

昔は今のようにカーテンはありません。
日本ならではの材料や工法で窓を装飾してきました。
その美しさに改めて気づき、いろんな窓をパシャパシャ写真に撮ってきました。

皆さんのお家のインテリアの参考になるかもしれませんのでどうぞご覧ください。


日本の窓は『
線x線』で無数のバリエーション

日本は森林が多い国なので、昔から「木」を主な建築材料として使ってきた…というのは想像がつくかと思います。

木の特性のひとつが”直線に加工しやすいこと”
だから日本のお家は「直線が多い」とよく言われます。

特に窓辺は”直線”が強調される部分。
昔の家は今のようにレースやカーテンをかけるわけではないので、窓の桟(さん)の直線がもろに見えます。

この窓の桟のデザインが本当に素敵で!!
シンプルなのに単調にならずに、桟の細さ・長さ・間隔・配置を変えて様々なバリエーションを作っていることに気づきました。

写真にまとめたのは、江戸東京建物園に移築してある江戸時代~昭和初期にかけて造られた日本のお家の窓の写真です。
みんな”直線だらけ”なのに一つとして同じデザインはありません↓

StudiodelSolインテリアコーディネーター山口恵実17

東京のインテリアコーディネーター山口恵実

カーテンで覆う窓も素敵だけれど、こうやって直線の繊細なデザインを生かすのも、日本ならではの美しさなのではと思います。

「洋室に和の格子窓」「フローリングの部屋に障子窓」…そんな組み合わせがもっとあっても良いではないか!とつくづく思いました。

 

 

窓自体がアート『変形飾り窓』

窓は直線が多いですが、一部の窓には曲線があります。
技術と時間とお金を要するので、寺院・貴族の別荘・お金持ちの家など限られたところでしか見られません。

シンプルな住居に変形の窓がおしゃれなんだなぁ…こりゃ。

いくつか目にしたものをご紹介。

櫛形(くしがた)窓』

↓写真は三井財閥の邸宅にあったもの。
櫛形窓といえば桂離宮の新御殿の窓が有名ですが、こちらもめちゃめちゃ素敵です。↓
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(江戸東京たてもの園「三井八郎右衛門邸」)

 

『木瓜形窓

同じく三井財閥の邸宅跡で目にした木瓜形窓。
これだけでアートになる、抜群の存在感。

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(江戸東京たてもの園「三井八郎右衛門邸」)

 

火頭窓』

炎の形のようなお花のような窓。寺院で見かけたことはありませんか?仏教とともに中国から渡ってきました。
インドに行ったときに、このデザインによく似た形を見かけました。
そういえば仏教ってインド発だったなとしみじみ実感。

(左:寛永寺 阿弥陀堂)(右:寛永寺 清水観音堂)

 

 

変形窓は建物の”シンボル”にもなります。

先日行った横浜のベーリック・ホールは四葉形の小窓が印象的でした。
(詳しくはこちらの記事へ→インテリアに取り入れたい、スパニッシュ様式のデザインを紹介

ベーリックホール

 

マンションだし変形窓を作るのは難しい!外観はいじれない!…という場合には、例えば室内の仕切壁に窓をつけたり、ベッドのヘッドボードに窓のようなデザインの飾りを作っても素敵だと思います。

現代のお家でも、マンションでも、変形窓をおしゃれに取り入れる方法はたくさんあります。

 

ブラインドの元祖』

最後紹介したいちょっと面白い窓。ブラインドみたいなんです。普段はこうなっているけれど↓

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閉めるとこうなる

StudiodelSolインテリアコーディネーター山口恵実

仕組み分かるでしょうか?

縦型の板が重なっていて、それをずらすとブラインドのように閉められるのです。

これは「無双窓(むそうまど)」といって茅葺屋根のお家についていました↓ (江戸東京たてもの園「綱島家」)

StudiodelSolインテリアコーディネーター山口恵実

光や通風をうまく調整したい…という思いから生まれた、まさにブラインドの元祖。
昔の人の知恵と工夫はすごいですね!

 

 

今回は「窓」という視点で日本のお家を切り取ってみましたが、照明とか床とかまた別の視点で見つめなおしてみると、新しい発見があるのではと思ってます。

12月に京都に行くのでまたいろいろ探索してきます◎

StudiodelSolインテリアコーディネーター山口恵実





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