気温がぐっと上がって夏本番になってきましたね。また酷暑がくるのか…と思うとげんなりします。
さて先週2泊3日で長崎に行ってきました。
どうしても泊まりたいホテルを見つけまして、「こりゃ行くしかない!」と旅を決行。
ホテルの名前は「雲仙観光ホテル」です。
80年の歴史を持つクラシックな名ホテルで、建築・内装が(お料理も)とても素晴らしいんです。
場所は長崎の島原半島にあります。昔日本史で「島原の乱」を学んだ記憶があると思いますが(ありますよね!?)、それが起こった半島です。このあたり↓
長崎市からやや遠いです。車で1時間半ほど。
日光の「いろは坂」並みの山道を登ってたどり着きます。
雲仙は明治~昭和初期にかけて外国人の避暑地として有名でした。主に上海の租界の人が来たそう。
貿易や外交で活躍する外国人のお金持ち・賓客向けに、日本の威信をかけて作られたホテル、それが雲仙観光ホテルです。
ですので、とても贅を尽くしています。
国の登録有形文化財に指定されており、歴史を感じる建物や内装は一見の価値あり。
外観はスイスのシャレー様式という造り。
ピンクの外観がちょっとメルヘンで可愛い。
ちなみに80年前の外観や内装がそっくりそのまま残っている訳ではありません。
硫黄の温泉が湧く地帯なので、木は風化し金属は痛みます。
数十年に一度は大規模な修復をして、大切にメンテナンスされて今に続いています。
維持管理が大変なんです、とホテルの方もおっしゃていました。
開館当初から残っているもの/新たに追加されたものがあります。それらが上手く融合しているホテルです。
さて、書きたいことが山ほどあるのですが、今日は泊まった客室の内装を紹介したいと思います。
雲仙観光ホテルの客室インテリア
全部で39室あり、全ての部屋で内装が異なります。
私は2泊したのですが、事前にお願いして1泊目と2泊目を違うお部屋にしていただきました。
せっかくなら2つのお部屋を堪能したいです。
泊まったのは「スーペリアツイン」と「プレミアムツイン」のお部屋です。
(1泊目)スーペリアツインの部屋
36㎡で決して広くはないのですが、天井が高いので開放感があります。
ベッド背面にはウィリアムモリスの壁紙。
このホテルではすべての客室に、テーマに沿ったモリスの壁紙が貼られています。
ベッドのヘッドボードが可愛いですね。
実はこのヘッドボード、こんな感じで壁に取り付けられています。ホテルではこんな風にベッドとヘッドボードは別々になっていて、ヘッドボードは壁に直に取り付けることが多いです↓
(ベッドを勝手に動かしてごめんなさい。笑)
柱も天井もかっこいいです。味わいがあります。
冷蔵庫やクーラーなど”美しくないもの”は、全て木の枠の中に隠されています。
柱の表面の段差。
「手斧(ちょうな)削り」と言うそうですが、このホテルのトレードマークで、柱や壁で多く見かけました。
窓から見える景色が本当にきれい。
室内の照明が暗めなので、余計に外の景色が際立ちます。
窓も少し特徴があります。
通風のために下半分が開閉できるようになっており、アルミサッシと網戸がついています。
アルミと網戸の存在を隠すために、窓の下半分に柄付きのレースを取り付けていました。
そういうきめ細やかさも素晴らしいです。
お部屋についているバスタブはなんと猫脚にゃ~!
立派な温泉大浴場がついているので使いませんでしたが、洗面所に入る度に気分が上がりました。
(2泊目)プレミアムツインの部屋
では次に2泊目のお部屋です。
1泊目よりも値段が高い42㎡のお部屋に泊まりました。
木でアールデコ風の装飾が施されておりまして、とっても華やかです。ウィリアムモリスのピンクの壁紙とのコントラストも素敵。
少し脱線しますが、
ベッドの背面ってすごく重要だよなとホテルに泊まる度に思います。
ベッドの背面がまっさらで何もないと、見た目が寂しくて物足りない。
ホテルの部屋に入った途端に「なんか物足りない」って思います。
良く有名建築家やデザイナーが作ったホテルで、外観やホール、共有スペースは超おしゃれなのに、客室が超ミニマリストでガラーンとしたホテルを良く見かけます。
ベッド裏には何も飾らずに、壁そのままって感じです。
クールなシンプルさを狙っているのでしょうが、私の感覚からすると物足りないです。
アートや壁紙、ヘッドボードできちんと装飾されていると、お部屋に入った瞬間に「素敵だなぁ」と思います。
ホテルのお部屋は「ベッド裏の装飾で決まる」と言っても過言ではないです。
お家のベッドルームも同じですね。
…お部屋紹介に戻ります。
このお部屋のウィリアムモリスの壁紙はピンク。
カーテンやベッドスロー、クッションは全て同じ黄色の生地でした。
黒光りする柱…ここだけ風合いが違います。
創業当初からあるものなのでしょうか。
お部屋の内装は10年程前に大改装を行いまして、ウィリアム・モリスの壁紙含めその時の改装でつけたそうです。
全て創業当初からあるわけではないです。
一部の内装は創業当初(80年前)のものが残っていまして、そこはやはり風合いが違います。
部屋にはバルコニーがついています。目の前に豊かな自然・自然・自然!
(超蒸し暑かったのであまり外にはでませんでしたが、初夏や初秋はとても気持ちが良いでしょう)
雲仙観光ホテルの特徴:ドアノブが高い位置にある
雲仙観光ホテルで特徴的なのがドアノブの高さです。
もともと外国人向けのホテルとして作られたこともあり、客室のドアノブがとても高い位置についています。
写真で伝わるでしょうか?
私の身長は170cm近いですが、そんな私でも「うわ、高っ」って思います。
昔の外国人はどんだけ身長が高かったんだろうか。
厚底靴を履いていたのだろうか。
客室の鍵はレトロなタイプの鍵です。
テーマカラーに合わせて可愛いタッセルがついていました。
便利なカードキーに慣れていましたが、このアナログな感じが逆に新鮮で楽しかったです。何より可愛いから持っていて気分があがります。
2泊3日の滞在中、2日目はホテルから一歩も出ずに過ごしました。
ホテルがとにかく居心地良くて楽しかったです。
嬉しいことにホテルの方のご厚意により他のお部屋も見せていただきました。
昭和天皇が宿泊されたスイートルームも!
また改めて書きたいと思います。
書きたいことが山盛り。
長くなりそうなので、次回以降に続きます。
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