数カ月前に雪の降る旭川へ行き、家具関連の工場をいくつか見学してきました。
北海道の家具工場視察レポートvol.2
今日ご紹介するのは「製材工場」です。
こんな大きな丸太の山が広大な敷地にたくさんあります。
圧巻の光景!!
北海道で伐採された木、ロシアなどの外国から輸入された木材が集められています。
1年~数年この状態でじっくり寝かせて、木の中にある水分を乾燥させます。
さすが雪の多い旭川。
丸太の山にも雪がかぶっていました。
「雪に埋もれた状態で木が乾燥するんでしょうか?逆に空気中の湿気が木の中に入っていきそうな気がします。」
と工場の方に率直な質問をしてしまいましたが、この状態でも木はちゃんと乾燥していくのだそうです。
たしかに野菜のキュウリを外に放置していたら、雨でも雪でも徐々に水分が抜けてシナシナになっていきますよね。
それと同じように数年かけて木からはじっくり水分が抜けていきます。
木の断面には種類名やサインが書かれています。
落書きのような暗号のような。
若かりし頃のインディ・ジョーンズがいたら、暗号を解きながら丸太の上で銃打ちしてそうですね。
そして数年寝かせた木は、墨のように表面の色が変わっています↓
*
この丸太たちを眺めているうちに、ふと懐かしの「ふ菓子」を思い浮かべてしまいました。
なんかちょっと似てる…?
小さい頃大好物でした。特に両サイドのカリっとした部分。
十分寝かせて水分が抜けた丸太は、今度は製材所の工場内に運びこまれます。
一本一本重いですから、専用の機械を使って持ち上げて工場内へGo!
レーンにのって丸太が運びこまれます。
コロコロ……
巨大な「ふ菓子」にみえますが、実物はかなりの迫力があります。
そしてここから、専用の機械でカット!!
カット!!カット!!カット!!
工場内に大きな音が鳴り響き、木がカットされていきました。
見慣れた一枚板の状態になってきました。
このカットしたばかりの木は「生材(なまざい)」と呼ばれて、まだまだ水分をたくさん含んでいます。
水分をたくさん含んでいるから重いし、このまま家具や建材として使うと、後で水分が抜けて変形したり収縮したりして大変なことになってしまいます。
ですので、ここからまた木を乾燥させます。
乾燥Again!
専用の乾燥ルームに入れて、数日~1週間かけて人工乾燥させたり。
木の種類や部位によって木に含まれている水分量(含水率)は異なります。個体差・大きさによっても異なります。
木の状態も見ながら、適切な含水率(15~20%ほど)になるように乾燥を進めていきます。
そしてやっと乾燥が終わったら、
今度は同じ敷地内の別の工場に運ばれて、表面をきれいにならしカットして、材料となる「木材」として加工されていくのです。
…という、製材工場の一部を見学しただけですが、
「木材ってすごい手間と時間がかかりますね~!!」
っていうのが、製材工場に来て感じた率直な感想でした。
「材料」の状態になるために何年もかかる!
生きているものだから
ひとつひとつ個性があるし
同じ処理をしても一つ一つ反応が違う。
長い時間と手間をかけてやっと材料になり
そこからやっと家具が作られるわけで、
そんな上流工程での苦労を知ると、我が家にやってきた家具たちが愛おしくなります。
下手に不必要な家具を買ってポイポイ捨てられなくなりますね。
全てこういう工程を経てできあがっているわけですから。
時間をかけていろんな試験にパスして大切に加工された家具たち。
もっと心を込めて手入れをしながら長く大切に使ってあげようって改めて思いました。
◎北海道の家具工場レポ、まだまだ続きます◎