「突板」って何?~旭川の家具工場へ

6月になり都内のお店やショールームが再開しましたね!
資材調達のために新宿~六本木のインテリアショップを巡りましたが、どこもインテリア関係者ぽい人たちで激混みしてます(笑)
「やっと買いに行ける!」と一斉に動き出している感じですね。

さて、前回のブログ更新から日が経ってしまいましたが、今日も旭川の家具工場見学記をお届けしたいと思います。

今日紹介するのは「突板(つきいた)化粧合板」の加工工場です。

突板化粧合板?
えっ…何それ美味しいの?
…という状態かと思いますが、

実は皆さんにとって身近なものなんです!^^

突板工場

 

家具の多くは木から作られていますが、木の種類も製法も様々です。

プリント技術の発達により、美しい木目だなぁと思っても、実は紙や樹脂に木の模様がプリントされていたりもします。

 

今日ご紹介する「突板(つきいた)」は天然木を使った製法のひとつです。

フローリング、天井、壁、家具など身近なものに多く使われています。

突板工場

 

工場のご紹介をする前に、先に「無垢板・一枚板」と言われてるものについて簡単に説明しますね。
比較すると「突板って何?」を理解しやすいと思います。

 

いわゆる「無垢板・一枚板」

木の家具の代表例として、例えばイメージしやすいものは「一枚板のテーブル」
こんなテーブルに憧れている方も多いのではないでしょうか?

1枚板テーブル

ATELIER MOKUBA(関家具)HPより

自然木を切り出して加工しており、木の質感や温もりをダイレクトに感じられます。

 

旭川の製材工場でも、見事な無垢板をたくさん目にしました。

大きな丸太を
旭川家具レポートStudio del Sol

機械でカットし

旭川家具レポートStudio del Sol

職人さんが美しく加工をして

突板工場

テーブルの天板として、一枚数十万~数百万円で取引されます。

製材工場

自然の木を伐り出しているため、質感や温もりは見事です。

一方で、
自然の木をカットするので、大きさはバラバラ。
柄もバラバラ。
一本の木から取れる量も多くはありません。

日本国民全員が「見事な一枚板のテーブルが欲しいですー♡」と言い始めたら、たぶん森から木が無くなるんじゃないでしょうか(笑)

 

 

木を薄くスライスした「突板(つきいた)」

中高価格帯の家具で多いのが「突板」を使った家具です。
「とつばん」ではなく「つきいた」と読みます。

突板とは何かというと「0.2-0.6mm程度に薄~くスライスした木」です。
薄い無垢材とも言えますね。

突板工場

木目の美しい部分をスライスして、多くの面積で使えるようにしたものです。

 

旭川の工場には、紙のように薄くスライスされた突板がたくさんありました。
タモ、ナラ、ウォールナット(他にも珍しいものがいっぱいありましたが…名前忘れました。。)

この突板を様々なベースに貼って使います。

一本の木からたくさんの突板がとれるため、美しい木目が量産できます。
量産可能で経済的な製法です。

突板工場

 

旭川の工場では、突板をベニアなどのベース材に貼った「突板化粧合板」を製造しています。
家具・フローリング・壁・天井…様々に使われています。

始めて工場で突板の実物を見たので「わぉ~すごい!!」と興奮しっぱなしでした。すごく面白かったです!

突板工場

 

↓こちらの写真は「突板(つきいた)をどの順で貼っていくか?」を検討しているところ。
模様の選び方や向きで仕上がりが変わりますので、顧客からの要望に応じて一つ一つ手作業で向きを決めています。

旭川特注家具レポートStudio del Sol

 

特殊な糊を付けたベニア板に突板を貼っています。
スッ、スッ…職人さんの動きには全く無駄がありません。

旭川特注家具レポートStudio del Sol

そして圧着機械に挟んでプシュ~として、

突板工場

接着されてでてきます。

突板工場

周囲をカットし研磨して、
美しい木目の突板化粧合板になりました。

突板工場

 

これがフローリングや家具、壁、天井などの材料として使われるのです。
手触りや風合いは自然の木そのもの。

 

我が家のダイニングテーブルも突板で作られています。
(テーブル:Alfrex Rita、チェア:Alfrex RINN)
突板の製品は身近にたくさんあります。

ダイニングテーブル

 

(工場からお土産でいただいた突板コレクション↓)突板工場

 

突板(つきいた)という製法が生まれたことで、美しい木目の家具を量産できるようになりました。

今はプリント技術が発達して、木目模様を紙や樹脂に印刷して家具に貼ることもあります。

最近は木目が美しい家具のようなキッチンもありますね。
自然木を使った突板を使用しているものもあれば、メラミンという樹脂に木目をプリントしているものもあります。

技術の発展により、様々な製法、見た目、価格、用途の家具が生み出されているわけです。

 

面白いですよね~!!

 

製材工場

 

工場の皆様、見学させていただき本当にありがとうございました!
とても学びの多い時間でした。

雪の降る日にバタバタと行きましたが、今後はゆ~っくり美味しいもの食べにぜひまた旭川に伺いたいと思います!

インテリアデザイナー山口恵実
Art & Interior Design, Studio del Sol
外資経営コンサルタントからインテリアデザインの世界へ。アートやインテリアの楽しさと奥深さに気がついてから人生が変わりました。
2022年ロンドンへ留学。Interior Design School, Professional Development Course卒。
東京都内に築37年のマンションを自邸用にリノベーション。自邸インテリアをinstagramで発信中
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