今はネットやSNSで国内外の膨大な数のインテリア写真を簡単に見られる時代です。
しかしいくら洋風のインテリアでも、日本の家の写真は瞬時に見分けることができます。
部屋や窓のプロポーションが異なるなど理由はいろいろありますが、最大の理由の一つが、「壁にエアコンがついている」ことです。
↑ 写真は我が家のリビングです。
赤丸の位置に大きなエアコンがついています。
賃貸マンションの備え付けエアコンのため、入居時からついていましたが、リビングの中で唯一これだけが気に入らない存在です。壁付エアコンはインテリア的に美しくありませんね。
特にマンションでは、部屋の入口に立った時に最も視線が行く壁にエアコンが付いていることが多いです。
室内機と室外機を冷媒管でつなげるため、どうしてもベランダ近くに設置せざるを得ないのです。
しかしいくら見た目が気に入らないとはいえ、エアコンを無くすことはできません。
近年の夏は酷暑猛暑続きで、エアコンが無いと命に関わります。
ですのでエアコンと付き合いながら、おしゃれなインテリアを実現する方法を考えてみたいと思います。
今回ご紹介する対処法は4つです。
対処法1:天井埋込式、壁埋込式にする
天井埋込式エアコン
天井の一部にエアコンを埋め込むため、すっきり見えます。
例えば新宿区賃貸マンションの事例です↓
ダイニングに天井埋込式エアコンがついていますが、ほとんど存在を感じません。

港区マンションのソファ上にも天井埋込式エアコンがついていますが、ほとんど存在を感じず天井がすっきり見えます↓

天井埋込式エアコンは天井内にエアコンを埋め込むため階高が必要になりますし、設置も大変です。
またエアコン本体価格も高くメンテナンスも大変なため、全ての家に付けられる訳ではありません。
しかし意匠面では一番美しい方法です。
マンションによっては、人が集まるリビングは天井埋込式にして、寝室は壁付けエアコンという場合も多いですね。
壁埋込型エアコン
壁にエアコンを埋め込むタイプです。
特に和室やホテルの客室に採用されることが多い方法です。
例えばこちらは、熱海にあるキュレーションホテル「桃山雅苑」の客室↓
エアコンと障子の桟の色が統一されており、すっきりみえますね。
非日常を味わうホテルでは、生活感の出る家電製品の存在を感じないように細部まで気を使っています。

ただこの方法も壁にエアコンを隠す空間が必要になりますので、全ての部屋で実現するのは難しいかもしれません。
対処法2:造作家具の中に隠す
壁面造作収納の中にエアコンを隠してしまう方法です。
残念ながら掲載可能な事例画像がないため、ぜひネット検索で「エアコン 造作家具」と入れてみてください。
少し趣は異なりますが、白金台にある旧朝香宮邸(東京都庭園美術館)では、ラジエーター(暖房器具)に装飾性の高いメタルの造作カバーがつけられていました。
空調設備もここまで美しく隠せたら芸術品ですね↓
対処法3:エアコン自体を目立たないものに
最近は各種メーカーからシンプルでおしゃれなエアコンがでてきていますいます。
例えば江東区の新築マンション主寝室には、ダイキンrisoraのブラックウッドを設置しました。
チェストと色・幅を揃えることで、エアコンがインテリアに違和感なく溶け込んでいます。
risoraは色が豊富ですので、ぜひお部屋のテーマカラーやインテリアに合うものを選んでみてください。

対処法4:天井照明&アートで視線をコントロールする
最後に一番簡単な方法をご紹介します。ずばり”視線コントロール”です。
顔に大きな吹き出物ができたとき、濃い口紅をつけて口元に視線を向かわせるようにする、というメイクのテクニックがありますよね、それと同じです。
「エアコンに意識が向かないように、他に目立つものを置く」というやり方です。
改めて我が家のリビングをご紹介します。
大きなエアコンがリビングの隅を陣取ってますが、
壁にたくさんのアートを飾り、天井には大きなメタルシャンデリアをつけています。
アートや照明に視線がいくため、エアコンの存在がそれほど気になりません。

もしお部屋がすっきりし過ぎていて、壁についているものが唯一エアコンだけだとしたら、エアコンの存在が目立つことでしょう。
このように、インパクトがあるもの(美しいもの)に意識を向かわせることで、エアコンの存在感を和らげることができます。
簡単ですが効果的な方法です。


エアコンなんて、そこまで気にする必要ないじゃないか、と思われるかもしれませんが、一度存在を意識してみてみると、結構気になってきますよ。
特に海外のインテリアと比べてみますと、露骨にその存在感を感じます。
国内外で美しいインテリアを見ればみるほど「あぁ、壁付エアコンが無ければいいのに」と思う機会が結構でてくるのです。