仕事柄東京で様々なマンションを見たり、不動産広告のマンション図面を見る中で、
「なぜこの位置に窓がついているの?」
「この間取りでどうやって家具を置けばいいの?」
と突っ込みたくなる間取りが結構あります。
家具配置が考えられていない空間が世の中には結構多いのです。
このようなお部屋のご相談を頂いた場合、部屋の欠点を無くすために大幅にリフォームをすることもありますし、大きな工事をせずに工夫で乗り切ることもあります。
意外とその欠点が、発想の転換で長所に変わることもあります。
今日は制約を逆手にとって理想のインテリアに近づけた、都内マンションの寝室インテリアコーディネート事例をご紹介します。
「なぜここに、こんな窓が」
東京都心の賃貸マンション。1LDKの寝室には細長い窓が付いていました。

上写真には映っていませんが、右側に大きな窓があり採光・換気は十分確保できます。
この細長い窓があることで、正面の壁に大きな家具を置けず、大きなアートも飾れません。
どんなカーテンをつけたら良いのかも悩ましい窓の形です。
この窓の存在が、機能と見た目の両方でインテリアの制約になっていました。
さて今回このお部屋を寝室として使うため、お客様のダブルベッドを置きました。
案の定、窓の下にベッドの頭がきて落ち着かない状態です↓

「海外のようなおしゃれなインテリアを叶えたい」というお客様のご要望でしたが、どうしたらよいか。
悩んだ末に考案した方法が「窓をカーテンで覆ってベッドのヘッドボードのように見せる」アイデアです。
窓にはこのようなカーテンレールがついています。これを活用します。
カーテンレールに「フラットカーテン(ヒダのない平らなカーテン)」を付けて、窓を完全に覆います。
遮光生地を選んでいますので、寝ているときに「光が透けてまぶしい」という心配はありません。
レールにつけたフラットカーテンは、壁とベッドマットレスで挟み込み動かないようにします↓

両側に小さなアートを飾り、ベッドカバーをかけ、ヘッドボード代わりの大きなクッションを置きました↓

さらにクッションやベッドスローを置き、完成した寝室がこちらです↓
Beforeからは考えられないほどおしゃれな寝室になりました。

写真をご覧になった方から、「ベッドの後ろには壁紙を張ったのですか?」と良く質問されるのですが、壁紙ではなくカーテンです。
カーテンで縦のラインを強調することで、面積以上の広がりを感じられる、海外のブティックホテルのような寝室になりました。

今回の窓問題は一例ですが「インテリアを作るときにどうしたらいいのか…?」と悩んでしまう空間が世の中には結構あります。このような場合、一般の方が自力で理想のインテリアを叶えようとするのは難しいのではないでしょうか。
「これは難しい…無理だ」と思ったら、ぜひプロを頼ってみてください。
きっとご自身では思いつかないアイデア&技術的方法で解決してくれると思います。