アンティークやヴィンテージ家具が好きです。
長い年月を経たものには、新品にはないオーラや輝きがあります。
古い家具はインテリアに個性と深みをプラスしてくれます。
ご新居ご購入時やお引越の際に、家具をほぼ全て買い直したいというご要望を良く受けます。
しかし空間を全て新品で構成してしまうと、深みが足りずに殺風景に感じてしまうことがあります。
空間に深みや温かさをプラスするために、あえて古い家具や照明をご提案することがありますし、お客様が古いものをお持ちの場合には、それらを大切にし映える空間にするように心がけています。
今日は弊社の事例の中でヴィンテージのアイテムを取り入れた事例をご紹介します。
ヴィンテージのフロアライト
眺めの良い高層マンションの主寝室。
12畳の寝室に奥様のくつろぎスペースをご用意しました。

この空間には新品のオーダーカーテン、特注チェスト、アメリカから取り寄せたガラスのテーブル、チェア、ラグ、小物など、ほぼ全て新品をご購入いただきましたが、その中で1点、真鍮のフロアライトはイギリスのヴィンテージ品を取り入れました。
フロアライトはシェード(傘)や電球部分は新調していますが、真鍮のベース部分は古いため、ところどころ色が落ちたり、錆びたりしているところもあります。でも凛とした美しい佇まいです。
このヴィンテージの照明が入ることで、バラバラだった新品の家具たちがまとまり、空間の格がアップしたように感じられます。
古いサイドチェストとマガジンラック
下は我が家のリビングです。
我が家には古い家具がたくさんあります。
この写真の中で、ソファの横に置いているサイドチェストと木彫りのマガジンラックは、どちらも世田谷区のヴィンテージショップで購入しました。
店の隅で埃をかぶっていましたが、デザインの面白さと味のある色味にひかれて購入しました。

どちらも古くて傷やカケがあり、色がハゲているところもありますが、実用性は全く問題ありません。
唯一無二の存在感を放つ個性は、このリビングになくてはならないものです。
ヴィンテージのダイニングとシャンデリアに合わせて
渋谷区マンションの事例です。
ダイニングテーブル、チェア、シャンデリアは、お客様がもともとお持ちのものでした。
「数年前に青山のアンティークショップで一目惚れして購入したもの」とおっしゃっていました。
この家具や照明に合わせて、弊社はアートとオーダーカーテンをご提案しました。

アートはシャンデリアと世界観をつなげて、煌めきと透明感のある作品をご提案。
オーダーカーテンは紫の繊細なグラデーションの生地で、ストレートバランス(上飾り)つきのエレガントなデザインをご提案しました。
深みのあるヴィンテージの家具とアートやカーテンが響き合う美しいリビングになりました。

近年は気軽に買える安くておしゃれな家具が世の中にはあふれています。
そのおかげで若い世代でお金がなくともインテリアを楽しむことができるようになりました。
それはとても良いことだと思います。
しかし消費するように家具を使い、引っ越す度に買い替えるというスタイルが主流になっていることに、若干の危惧も覚えます。
数年経ったらゴミになってしまうような使い捨て家具には愛着を感じにくいですし、大切にしようという気持ちも起きにくくなります。
本来良い家具であれば、大切にメンテナンスしながら使い続けていけば何十年も長持ちします。
そして古くなるほど味わいがでてくるものです。傷やシミにも愛着がわいてきます。
今日ご紹介した事例のように、新しい空間の中に古い家具を取り入れてその味を楽しむも良し。
お持ちの家具をメンテナンスしながら長く大切にするのも良し。
「使い捨て」ではない「豊かな暮らし」のあり方を、これからもインテリアを通して提案していきたいと思います。