1月にドイツ、イギリスにインテリア視察ツアーに行ってきました。
『ハイムテキスタイル』『ケルン家具見本市』そしてデザインの歴史・トレンドを学びにロンドンへ。
帰国して1カ月経ち、そろそろ記憶が薄れてくる頃…
忘れないうちにしっかりレポートに書き溜めて発信していきます。
写真も一杯撮ってきたので、たくさん載せますね!!
…ということで、これからしばらく欧州インテリアレポートが続きます!
第一回目はハイムテキスタイル@ドイツについて
インテリア・デザイン業界では、年間を通してたくさんの見本市や展示会が世界中で開かれます。
年初に開催される代表的なものは、
1月
ハイムテキスタイル@フランクフルト
ケルン家具見本市@ケルン
メゾンエオブジェ@パリ
4月
ミラノサローネ@ミラノ
…等々
今回私が行った「ハイムテキスタイル」は、壁紙やカーテン生地などのファブリック類が展示される見本市です。
東京ビックサイトの4倍の巨大な会場に、世界中から3000社がブースを出展し6万人以上が来場する大きな展示会です。
(会場の入り口はこんな感じ↓)
ちなみに”展示会”というと、
東京モーターショーのように各社がブースを出して、新作の車が並んで、美しいコンパニオンが立って、カメラ小僧がパシャパシャ写真を撮っている情景を思い浮かべる人がいるかもしれません。
ハイムテキスタイルでも各社がブースを出して壁紙やファブリックなどの商品を展示している光景は同じです。
でもブース内では”商談”を行っています。
例えばドイツの壁紙メーカーが新作の壁紙を展示し、それを日本のサンゲツの担当者が見て「これ日本で販売させてください~」的な交渉をしているわけです。
なので来ている方はインテリア業界関係者が大部分です。
カメラ小僧はおりません。
*
こんな壁紙見たことある~!?
各ブランドが趣向を凝らした展示を行っています。
大きな花柄・植物柄の壁紙は、英国の壁紙ブランドGraham&Brownのブース。
このブースも色鮮やかな植物柄が印象的でした。真ん中に立ってる女性もピッタリな黄色のセーター◎
このような植物柄・ボタニカルデザインをいろんなブランドで目にしました。
趣向を凝らして自社の壁紙をアピールしています。
展示しているのは全て「壁紙」なのですが、柄が派手でしょう!?
「壁紙」というと日本では、特にマンションにお住いの方は「白いビニールクロス」を連想するかもしれませんね。
日本は高級マンションでも安いアパートでも白いビニールクロスが一般的。
安いし施工が楽なので、ディベロッパーやハウスメーカーが白いビニールクロスを貼りまくってるわけです。
日本では、壁紙は「デザインを楽しむインテリア品」というよりも、「壁を覆うために貼る部材」という位置付けなのです。
一方ヨーロッパやアメリカなどの欧米諸国では、壁を自分でペイントしたり絵を飾ったり色鮮やかな壁紙で彩ることが当たり前。
壁紙は「デザインを楽しむインテリア品」という位置づけで貼られています。
だから壁紙の種類もデザインの豊富さも日本と全然違います。
さすが一流のブランドが集まる展示会。
見たこともないような壁紙が一杯ありましたよ~!
凹凸感のある花柄模様。まるで刺繍みたい!
紙というより布のような生地感です。
芸術品のような壁紙がいっぱいありました。
気になったら、とにかく近寄って触ってみる(笑)
プリント技術や織物技術の発達で、
今まで作れなかったデザイン、凹凸感、色彩の壁紙がどんどん作れるようになっているんだそうです。
技術の進歩ってこういうところにも表れるのですねー。
こんなファブリック(生地)見たことある~!?
たくさんのブランドが出展し、ブースを出していました。
ブース内はカーテンだけでなく、クッション・椅子の張地…トータルでコーディネート。
何て美しいレースでしょう!
(ブランド名をチェックし忘れました~)
面白いカーテン発見。
これ絶対に海藻をモチーフにしてる!(笑)
タッセルやトリムを専門に扱うブランドもたくさん出展していました。
ヨーロッパ…とくにイギリス、フランス、ドイツなど寒い地域では、インテリアにファブリック(生地)をたくさん取り入れます。
日本だとせいぜい取り入れてもカーテンとソファの張地、クッションくらいだと思うのですが、これらの地域では、カーテン、カーテン上飾り、椅子の張地、ベッドカバー、ベッドスカート、ラグ、ベッドのヘッドボード…etc
生地をふんだんに使います。
日本人とフランス人がチーズを食べる量が全然違うのと同じくらい、
インテリアで使うファブリックの量が全然が違うのです!
そのため歴史の長いファブリックメーカーが多く、質もデザイン性も高い生地が豊富にあります。
私が最も気になったドイツJAB社の新作カーテン↓
鳥の羽みたいにキレイ!
水彩画のような美しいプリントとテクスチャーに心奪われました。
でも爪や指輪を引っ掛けたら、大変なことになりそう…繊細な生地です。
…てな感じで、とにかく3000社も出展しているので、じっくり見てたら数日かかります。
私は1日しかいられなかったので、どにかくダダーっと会場を早歩きで見て周りました。
インターネットの発達により、年々このような「見本市」は縮小しているようです。
ネットやSNSでいくらでも情報発信できるのに、高い出展料を払ってこのような見本市に出る必要があるのか?
そのように考える企業も多く、ハイムテキスタイルも年々縮小している模様。
確かに結構空いている展示ブースもありました。
毎年来ている方は「こんなに閑散としているハイムテキスタイルは始めて。どんどん縮小してます」とおっしゃってました。
寂しいですが、出展しない企業の気持ちも何となく理解できます。
世界的な傾向なのでしょうね。
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さて、長くなってきたので今日はここまで!
次回はハイムテキスタイルで発信される「トレンド」についてご紹介します。
世界のインテリア業界が「どんな方向に向かっているの?」そんなことを知るのは結構面白いですよ~!
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ではまた次回、tschüss!