2021年残りわずかとなりましたね。
今日はアートについて書きます。
Studio del Solでは空間・インテリアに合わせて絵・アートの提案をしております。
アートは空間に個性・彩・ダイナミックさをプラスしてくれる素晴らしい品です。
アート無くしてインテリアは完成しないと思っています。
しかし、日本では絵・アートを家に飾っているお宅がまだまだ少ないですね。
インテリア雑誌やインターネット上の様々な施工事例を拝見していると「アートを飾ればもっと素敵なのに」と思うお家がたくさんあります。
「意味もなく、ただ空白なだけな壁」はもったいない。
和風建築でしたら、空白の壁があることでバランスが取れたり、壁自体が美しいのですが、
マンションでしかも量産のビニールクロスの壁で「ただの空白な壁」は寂しいですよね。
シンプルモダンではなく「ただの殺風景」です。

なぜ日本ではアートを飾る文化があまり無いのか
「海外インテリア」いわゆる欧米のインテリアに憧れる方が多いと思いますが、欧米と日本の一般的な家の大きな違いは、アートが飾られているか否かだと思います。
インスタグラムやピンタレストをよく見てみてください。
お洒落だなという欧米のお家で、壁に絵・アートが飾られていない家はほぼないと思いますよ。
「なぜ日本では壁に絵・アートを飾る家が少ないのか?」
私も疑問だったのですが、装飾芸術史や建築を学ぶことでその謎が解けました。
分かりやすく超ざっくりまとめます。
欧米では古くからキリスト教の宗教画から発展し、貴族の家では肖像画を飾って家柄を表したり、大航海時代に世界中からコレクションした品々を自宅に飾って富を誇示することから、壁に絵・アートを飾る文化が根付きました。
家が石造りやレンガ造りのため、壁に飾りをしないと寒い・殺風景ということもあります。
その文化が今も根付いており、家にアートを飾ってステータスを表現したり、個性を表現することが一般的になっています。
一方日本では、木の梁と柱の骨組みから家が建ちます。
壁はほとんどなく、大部分が開口部(障子や襖の動く建具)です。
そして家の中は極力自然素材の色を使い、窓から見える庭や月を愛でる文化が発達しました
(「月見台」って歴史建築では良くありますが、今考えれば非常に面白い文化ですよね)
もちろん障子のデザインや襖絵などは発達しましたが、そもそも壁がないので「壁に絵を飾る」というのはほとんどありません。
あっても床の間の掛け軸くらいです。
歴史を紐解くと、「壁に絵・アートを飾る」という文化自体が、欧米に比較すると日本にはほとんどないのです。
その文化・意識のままで21世紀の今もずっと来ていますので、大戦後に家が欧米化してほとんど和室がなくなった今でさえ「壁に絵・アートを飾ろう」という発想になりにくいのだと思います。
和室だったらいいのですが、洋室ならばやはり絵・アートは飾るべきです。
もちろん壁紙などで趣向を凝らすのも良いと思います。

まず初めの1点を飾ってみませんか
Studio del Solにリフォームやインテリアコーディネートをご依頼いただくお客様の90%は、アートを一度もご自宅に飾ったことが無い方です。
「壁は空白が当たり前」の家で暮らして来た方々です。
初めてアートを飾ることをためらいつつ、アート選びにドキドキしつつ…
アートを飾った瞬間の感動とその変化にびっくりされます。
そしてアートを飾った後に全員が、
「アートがあると全然違う」
「アートが無い暮らしには戻れない」
「もっとアートを飾りたい」
とおっしゃいます。
一度アートを飾った暮らしを体感すると、意味もなく空白なだけな壁がありえない存在になってくるのです。

家に入った瞬間の感動が大きく変わりました。
アートの面白さや感動はどうしても言葉や写真では伝わりにくく「体感」していただくことが必要です。
どんなに精巧なアートの画像を見られても、やっぱり実際に飾った場所に身を置くのとは雲泥の差です。
ぜひ多くの方に体感していただきたいと思います。
弊社では東京のプロジェクトが多いのですが、東京外にお住いの方でも、もし東京にお越しいただけるようであれば、ギャラリーへのご案内が可能です。
2021年も残り少し。
もしアートにご興味が少しでもありましたら…家に合う素敵なアートが欲しいというご希望がありましたら…ぜひお問い合わせください。
何事も最初が一番ハードルが高いのですが、それを乗り越えると当たり前になります。
アートも一度飾ってしまえば「あって当たり前な存在(なぜ飾らないの?)」になります。
「家に絵・アートを飾って当たり前」
私が死ぬまでに日本をそんな社会にできたらなと、密かな野望を思い描いています。