家具選びに役立つ豆知識コーナーです。
今日はダイニングチェアについて。
ダイニングチェアの『座面高』って、海外製と日本製のチェアで異なるのはご存知ですか?
ちなみに『座面高』というのは、お尻をのせる座面から床までの高さです。
良くSH(シートハイ)と表記されます。
座面高が合わないと座りにくい。
特に高すぎると違和感があります。
今日は知っておいて損はない、ダイニングチェア選びのポイントについて説明します。
※ちなみにチェアはいろいろありますが、今日はあくまでダイニングチェアの話です。
(1)海外製ダイニングチェアの座面高は日本製よりも3~6cm高い
おしゃれなインテリアに、おしゃれなチェアは欠かせません。
最近海外ブランドのスタイリッシュなチェアが手に入りやすくなりました。
特にカラーバリエーションが豊富なイタリア製の樹脂タイプのチェアが、カフェやレストランで人気です。
このチェア素敵だなぁと思って、海外ブランドのチェアを自宅に導入する際、ぜひ気にしていただきたいポイントがあります。
それは座面高。
日本製チェアの主流は座面高40~43cm。
一方でイタリア、アメリカなどの欧米製は、座面高45~48cmが多いです。
例えば…
①左は日本ブランド「カリモク」のCU65チェア。座面高42.5cm。
カリモクでは座面高42~43cmのチェアが主流。日本人にとって馴染みやすい安心感のある高さです。
②右はイタリアブランド「Kartell」のマスターズチェア。座面高46cm。
Kartellの主流の高さは45~46cm。結構高めです。
右写真のマスターズチェアは、身長169cmの長身女子の私でさえ、靴を脱いで座るとかなり高く感じます。(ハイヒールを履いて座ればOK)
形や素材ももちろん影響しますが、座面高46cmは標準的な体格の日本人にとっては結構高め。
もう一つ比較してみます。
①左は私が家で使っているAlfrex JapanのRINNシリーズ。座面高43cm。
Alfrexはイタリアブランドですが、この椅子は日本人デザイナーが作り、日本で生産されている日本人向けの椅子です。ゆえに日本人になじみやすい高さ。
②右は同じくAlfrex Japanが取り扱っているMolteni&CoのCHELSEAチェア。イタリア生産品で座面高は47cm。
その差は4cm。
同じ企業でも、ブランドによって(主流な生産国、ターゲットによって)座面の高さが異なります。
47cmは日本人にとってかなり高く感じる高さです。
なぜ欧米のダイニングチェアの座面は日本製より高いのか?
理由はシンプルです
・欧米人は脚が長いから
・靴を履いて座るから
欧米の人は日本人よりも背が高くて足が長い人が多い。悲しいですがこれが事実。
そして室内でも靴を履いて生活しています。
脚が長い人が靴を履いて座るわけですから、そりゃ座面が高いわけです。
オフィスやカフェで靴を履いたまま座るときは良いですが、家で靴をぬいで座る場合には、海外ブランド品は座面高に注意して選んだほうがよいですね。
(2)チェアの座面高は素材によって異なる
座面高について考えるときに、チェアの素材も忘れてはいけません。
チェアの素材には、木、樹脂、ウレタン+布張り、レザー張り…いろいろあります。
基本的に、木や樹脂のような固い素材の場合、座っても座面がへこみません。
一方、座面がフカフカしていると(厚いウレタン+布貼り)、座った時に体重で座面が1~2cmへこみます。
これが何を意味するかというと、
同じ座面高でも、椅子の素材によって感じ方が異なるということ。(もちろん椅子の形状によってもね!)
下記は両方Calligarisというイタリアブランドのチェアです。
両方とも座面高45cmですが、左と右は、座った時の感じ方が違います。
ちなみにこちらはBoConceptのNicoチェア。デンマーク人のデザイナーが作ったチェアです。
座面高はなんと50.5cm!
座面がフカフカしているので、座ると48~49cmくらいになるのでしょうが、それでもかなり高め。
身長180cmの男性でも「さすがにこの椅子は高いですね。疲れます…」とおっしゃっていました。
レディー・ガガのように超厚底ブーツを履いたり、スーパーモデル富永愛のように脚が長ければ話は別ですが、ダイニングチェアで座面高50cmは高すぎます。
なおブランドによっては、好みの長さに脚をカットしてもらえることが多いです。
(特に脚が木の場合。足が樹脂の場合はNGなことが多い)
気に入ったデザインだけれど脚が高すぎる…という場合には、ぜひ脚カットを検討してみてください。
最近は海外製のスタイリッシュなデザインの椅子が手に入りやすくなっています。
ぜひインテリアでトライしていただきたいですが、選ぶときは座面高(SH:シートハイ)も少し気にしてみてください。
室内で靴を脱いで座るには高すぎるけれど、バルコニーで靴を履いて座るには良いかも。
妻には高すぎるけれど、夫にはちょいど良いかも。という場合もあるかもしれません。
ライフスタイルに合ったものをぜひ選んでみてください。
ダイニングチェアの選び方は、他にもいろいろポイントがありす。
「椅子とテーブルの高さのバランス」「テーブルと椅子はどっちに投資すべき?」などなど。
また改めて別の機会に書きたいと思います。
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