






仲良し3人家族が住むタワーマンションリフォーム事例です。
お客様は東京タワーを臨める中古の3LDKタワーマンションを購入されました。
間取りは変えずに内装材の刷新や窓装飾、照明計画、家具の変更で空間を大きく変えました。
マンションお引き渡し1年前からご相談いただき、間取りやリフォーム内容の検討、家具の選定を進めていきました。
家具配置が難しい、三角形のリビング
今回のリフォームで最も難しかったのが、リビング&ダイニングです。
13畳とコンパクトなうえ、部屋の形が「三角形」、広い窓は「斜め」と、どう家具を配置すべきか悩んでしまうお部屋でした。
さらに部屋のコーナーを見渡すと梁・柱が多く、見た目が雑然と狭く見える上に、梁・柱の凹凸が家具配置をさらに難しくしています。


お客様のご要望は
・家族3人で座れる大きなソファが欲しい
・夫婦揃っての在宅ワークに対応できるように、書斎とは別にリビングにも仕事スペースがほしい
・テレビも映画も見たい
・窓の夜景(東京タワー)を楽しみたい
・友人を招いたときに食事ができる大きなダイニングテーブルが欲しい
・ピアノも置きたい
この部屋で不可能では!?と思える要望を、工夫とプロの技で実現していきました。
ソファは壁側に、テレビはプロジェクターに変更
ソファに座って外の景色を楽しむなら、必然的にソファは壁側に配置されます。
その場合「テレビをどこに置くか?」が問題となります。
今回思い切ってテレビを無くしていただきました。
テレビの代わりに採用したのが、電動ロールスクリーン&プロジェクター。
窓側に電動ロールスクリーンを取り付け、テレビや映画を見るときにロールスクリーンを下ろして、天井に設置したプロジェクターで投影します。
テレビを見ないときにはロールスクリーンを上げておけば、窓から見える景色を楽しめます。

家族3人座れるW2300ソファは青山のオーダーソファ専門店bloccoでオーダー製作したもの。
最近はスマホやタブレットなど、ゲームや動画を楽しめるデバイスが増えています。
「本当に据え置き型のテレビは必要か?」と問い直し、思い切ってテレビを無くしてみると、家具配置の選択肢が広がります。
造作家具で見た目美しく、収納力UP
都心のマンションでは「収納不足」が常に課題です。
少しでもスペースがあればキャビネットや本棚を置いて収納を確保したいですね。
今回のリビング・ダイニングは、部屋の形や梁・柱の存在から、既成家具を置くのが難しいお部屋でした。
このような場合には造作家具がおすすめです。
ミリ単位でサイズを指定して、お部屋に合わせて家具をデザインすることができます。
今回はダイングの横に本棚を製作しました。

梁柱の凹凸を隠すように造作本棚を製作



本やアルバム、学校の書類、ピアノの楽譜を収納するのに大変便利。
上部のOPEN飾り棚には家族の思い出を飾って。来客が来た時に会話のきっかけにもなります。
もう一つのコーナー(ソファ横)にはワークデスクを造作しました。

梁・柱の形に合わせた変形天板の造作デスク。


デスク足元にはWifiルータースペースを設け、デスク周辺にはパソコン、タブレット、スマホの充電スペースも設けています。
造作家具は存在を主張せずに、壁に溶け込むデザインにしました。
ソファの背景はタイル・照明・アートで見せ場を作る
部屋の大小にかかわらず、インテリアで重要なことは「見せ場」を作ること。
「見せ場」の無い空間は視線が定まらず、雑然とした印象になります。
今回「ソファの背景」を第一の見せ場としました。
壁面に大判のタイルを貼り、お客様が旅先のアフリカで購入してきたアートを飾り、壁付照明を設置。

ソファの両サイドにはぜひソファテーブル&テーブルランプを置きたいですが、今回のようにスペースが限られる場合には、ランプを壁付にし、ソファテーブルを可動式のものにするのも有効です。
タイル施工時の様子。タイルは壁紙にはない重厚感・高級感があります。


リビングのBefore & After


スポーツ観戦、映画を楽しめるプロジェクター


ダイニングテーブルは伸長式。6灯のガラス照明がドラマティックな印象
主寝室
約6畳の主寝室は、壁には大きな柱、天井には梁が大きく突き出て、クイーンサイズベッドを置くと窮屈さと圧迫感を感じてしまう空間でしたが、それを逆手にとって洞窟や繭のようにこもれる寝室になるようにデザインしました。

大きくせり出た梁や柱には天井よりもワントーン濃い壁紙を貼り、ヘッドボード壁面には英国Nina Campbellの民族柄の壁紙をアクセントに貼りました。輸入壁紙は国産ビニールクロスに比較して値段が高いものが多いですが、ここぞという壁面に貼るとアクセントになり空間をグレードアップしてくれます。
ポンポンクッションやベッドスロー、ラグはお客様がアフリカの旅先で購入されたもの。
思い出に包まれた居心地の良いベッドルームになりました。

小学3年の男の子部屋
約5畳の部屋は、小学3年生の野球BOYのお部屋です。
壁面はネイビーとオレンジストライプの壁紙で張り替え、壁にはポスターやお子様自身が描いた絵を飾りました。
勉強デスクはご実家で長年お使いになったもの。窓際にサイズがぴったり。

ベッドの足元に備え付けクローゼットがありますが、お部屋が狭く扉を開閉するとベッドにぶつかる距離感だったため、クローゼット扉は撤去してカーテンに変更しました。
ベッドもヘッドボード無タイプにしてできる限りコンパクトに納めています。

小学校2~3年で初めての子供部屋を作りたいというお客様が多く、毎年この年齢の子供部屋を手掛けています。
「いままで親と一緒に寝ていて、きちんと自分の部屋で寝てくれるのか」と心配される親御さんが多いですが、きちんとした部屋があればお子様は自分の部屋で眠るようになります。
子供部屋をデザインする際には、壁紙やカーテンの色を事前にお客様(親御さん)といくつか絞って、最終的にはお子様自身に選んでもらう、というやり方を実施しています。「自分で選んだ自分の部屋」という意識を高めるとお部屋を大切に使ってくれます。
玄関

玄関には小さな飾りスペースがあり、壁はミラー貼りでした。
玄関の正面にミラーがあるのは風水的に好ましくないため、ミラー壁面にモザイクタイルを施工してアートやお花を飾る「見せ場」としました。
コンパクトなエントランスですが、モザイクタイルがキラキラ光り、ディスプレイが映える空間に。
家に入った瞬間にこのスペースが目に入るので気分が上がります。
お出かけ前の身だしなみチェックには、玄関側面の収納扉に全身ミラーを新たに設置しました。

トイレ
お手洗いは清潔に保て、気分良く使えるようにリフォームしました。
壁はグレーと白の2種類の壁紙で貼り分け、脱臭調湿機能に優れるエコカラットを施工しました。
洗面台は既存を残しましたが、おしゃれな円形ミラーとお客様がアフリカで購入した布を額装して飾り、スタイルアップしました。

「我が家自慢のトイレです」
とお客様に喜んで頂き、大変嬉しいです。

リフォーム後お客様よりご新居のお食事会にお招きいただき、とても楽しい時間を過ごしました。
お客様より、
「改めまして、長い期間本当にありがとうございました。振り返ると壁紙や家具・照明等沢山ご提案を頂いて、一つひとつ選んでいくのはとても楽しかったですし、お陰様で満足いく部屋ができました。家族もとても気に入っていますし、写真に見えない細かいところもこだわって頂いたので本当に暮らしやすいです。今後も少しずつアップデートしながら楽しんでいきたいと思います」
喜んで頂けて何より嬉しいです。
マンションは制約が多く、なかなか理想の空間を実現しにくいケースが多いです。
「暮らしの優先度は何か」
「そのゴールを別の解決策で叶えることはできないか」
全体の優先度を考えながら、見た目と機能性のバランスを見極めながら、常に様々な方法を検討してデザインプランを進めています。
大切なご新居の暮らしを豊かにするためにも、ぜひプロのインテリアデザイナーへのご相談をお勧め致します。

2022年東京都
3LDK中古タワーマンションのリフォーム(間取り変更なし)
プランニング:10カ月(ご新居お引き渡しの1年前からご相談)
リフォーム工事:3週間